あなたは「アート系プログラミング」と聞いて何を思い浮かべますか?
プログラマーがアートをやるの?◯◯系だから、ちょっとおしゃれなプログラミングのこと?
私もこれだけでは全然想像つかない言葉だったので、どういう分野や世界なのか、今回調べていました。
意外にもそこには好奇心をくすぐる、新しい世界と可能性が広がっていたので、本や実例を中心にご紹介します!
目次
・新しい技術はやがてアートになる
・アート系プログラミングとは?
- プログラミングを用いたアート表現
- 世間でいうところの分野は?
- 書店で紹介されていた7冊
・身近になりつつあるアート系プログラミング
- 話題のプロジェクション・マッピング
- Perfumeのプロモーション
新しい技術はやがてアートになる
アート系プログラミングを調べていくうちに、ふと、学生の時にきいた
ある美大教授の話しを思い出しました。
「新しい技術はやがてアートになる」
新しい技術が生まれ、洗練されて、
やがて美しさを求め、アートになっていく。
人はそれを昔から繰り返しているのだ、と。
絵画や建築物も実用的なものからアートへ広がっていったように、
ITの世界もいずれこの流れがくる。
未熟な私も謎の確信を持って、その言葉にうなずいていました。
きっと、プログラミングがアートになっていくのも、
とうとうその流れが身近になってきたのではないでしょうか?
(画像:Perfume official global websiteより)
アート系プログラミングとは?
プログラミングを用いたアート表現
私が気になって仕方なくなったこのネーミングの発信元は、
書店の「はじめよう!アート系プログラミング」というフェア名。
ジュンク堂書店ではフェアの説明で“プログラミングを用いたアート表現”と説明していました。
今、話題のプログラミングを用いたアート表現の手引書を集めました!Processingの基礎から分かりやすく解説した本もございます。ぜひこの機会にご覧ください。
(引用元:ジュンク堂書店 天満橋店)
ツイッターで文教堂書店もフェアをやっているのを発見。
どうやら書店で最近流行っている(?)みたいです。
ピンクマン: 文教堂書店溝ノ口本店でも「アート系プロクラミング」フェアはじまりました。書店担当者さまから「素晴らしい企画だ!」とお褒めの言葉を頂きました。売れるといいな。 pic.twitter.com/xJsiMgPpyE
— ビー・エヌ・エヌ新社(BNN) (@BugNews) 2014, 7月 2
世間でいうところの分野は?
アート系プログラミングと検索してもなかなかヒットしません。
どうやら、書店の独自のネーミングのよう。
調べていると、関連ワードとして「インタラクティブアートプログラミング」「メディアアートプログラミング」という言葉が出てきました。
このあたりの分野が、アート系プログラミングという言葉の
同じ意味と思っても大丈夫そうです。
書店で紹介されていた7冊
同じフェアをやっていた近くの書店で、並んでいた本を改めてみにいきました。
下記、これから紹介する7冊のそれぞれから一つずつ拾ったワードです。
これだけでも何か新しい世界に飛び込んだようで、ワクワクするのは私だけでしょうか…!
以下から、本のタイトルと引用してきた内容紹介です。
1、ジェネラティブ・アート -Processingによる実践ガイド
アーティストのためのプログラミング言語「Processing」を使って、美しく予測不可能な「ジェネラティブ・アート」をスケッチするための解説書。
Processingはオープンソースのため無料であり、また教育ツールとしてシンプルに設計されているため、未経験者にも理解しやすいプログラミング環境として、近年ユーザー数を急速に拡げています。
本書は、そのProcessingを利用して、「ジェネラティブ・アート」と呼ばれる生成的な視覚表現を作るための手引き書です。
コンピュータという極めて論理的で機械的で正確なものから、非論理的で有機的でカオスに満ちた世界を探求する楽しさを読者に提供することを目指しています。(Amazonより引用)
2、vvvvook -プロトタイピングのためのビジュアルプログラミング入門
なんでもできるツールキット「vvvv」の日本初の入門解説書。
vvvvは様々な機能を持った〈部品〉を線で繋ぐことで、表現のアイデアを素早く形にできるビジュアルプログラミング環境のWindowsアプリケーションです。
インタラクション・2D/3Dアニメーション・リアルタイムグラフィックス・オーディオビジュアル・データビジュアライゼーション・フィジカルコンピューティングなどなど、あらゆるメディアコンテンツを制作できるドイツ生まれのvvvvをぜひ体験してください。(Amazonより引用)
3、Beyond Interaction[改訂第2版] -クリエイティブ・コーディングのためのopenFrameworks実践ガイド
インタラクションデザイン/メディアアート制作のためのオープンソースのツールキット、「openFrameworks」の解説書。
2次元/3次元の図形の描画、アニメーション、サウンドの録音・再生、動画のキャプチャ・再生、マウスやキーボードによるインタラクション、ネットワークの活用などなど、マルチメディアコンテンツを制作するための様々な機能をすぐに利用できる、C++をベースにしたフレームワーク「openFrameworks」。そのプログラミングの初歩から実践的な応用手法までを、わかりやすく解説しています。(Amazonより引用)
4、チームラボって、何者?
世界から注目されているウルトラテクノロジスト集団チームラボとは何者か?
伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」をモチーフに、デジタルテクノロジーを使って新たな作品ヘと進
化させた《Nirvana》など、話題作を次々に作り出しているチームラボ。
彼らの作品の裏側には、過去の日本美術への敬意と愛情、そしてコンピュータで再構築・表現するデジタルならではの世界観、思考があります。
チームラボ代表・猪子寿之氏と美術史家・山下裕二氏の対談など、様々な視点からチームラボ作品を読み解いていきます。(Amazonより引用)
5、FORM+CODE -デザイン/アート/建築における、かたちとコード
新世代のための、デザインの教科書
本書は、デザイン/アート/建築分野におけるソフトウェア利用の可能性について、その歴史・理論・実践を総合的に紹介するための最初の1冊です。「コード」を利用して「かたち」を生成するための考え方・技法について、「繰り返す」「変換する」「パラメータ化する」「可視化する」「シミュレートする」という5つのテーマを切り口に解説しています(技術的な事柄、たとえばプログラミングについては解説していません)。
美術、建築、インダストリアルデザイン、デジタルファブリケーション、映像、写真、タイポグラフィ、インタラクティブメディア、ゲーム、人工知能、人工生命、データマッピング、ビジュアライゼーションなどの領域から、過去60年間の重要作品250点以上を、それらのルーツとともに紹介しています。 Processingの開発者、Casey Reasを中心に執筆された本書は、デジタルデザイン/メディアアートのコースのための理想的な入門テキストとなっています。(Amazonより引用)
6、ビジュアル・コンプレキシティ ―情報パターンのマッピング
私たち人類は、どのようにして情報や知識を体系化し、みえるかたちにしてきたのでしょうか?
本書は、古来より分類のシステムとして使われてきたツリーモデルから、現代の情報爆発時代におけるネットワークモデルまで、約300点におよぶインフォメーションデザイン作品を掲載するとともに、今日の情報化社会を描写するための新しい言語〈ネットワーク・ビジュアライゼーション〉の魅力と可能性を探求しています。(Amazonより引用)
7、分かる!できる!プロジェクション・マッピング
東京駅や鶴ヶ城でのイベント等で話題の「プロジェクション・マッピング」。本書はプロジェクション・マッピングに興味を持っている方、これから始めてみようと考えている方に向けた入門書です。
VJ用ソフトウェアのプラグインという形でプロジェクション・マッピングに対応した「ARKAOS GrandVJ」を用いて、誰でも簡単にプロジェクション・マッピングができるようになるハウ・トゥー本です。(Amazonより引用)
身近になりつつあるアート系プログラミング
話題のプロジェクション・マッピング
最近なにかと目にするようになったアート系プログラミングの一つ、プロジェクション・マッピング。
言葉を知らなくても見たことがある方もいるのではないでしょうか。
1、ディズニーランド「ワンス・アポン・ア・タイム」
今年5月29日から始まったディズニーランドのキャッスルプロジェクションです。(画像:公式サイトより)
2、東京駅 プロジェクションマッピング「TOKYO STATION VISION」
2012年9月、国内で大規模なプロジェクションマッピングとして話題を呼んだ、東京駅リニューアルのイベント。(画像:動画のキャプチャより)
3、ドラマ「殺人偏差値70」
最近では、ドラマの劇中でプロジェクションマッピングを投影する撮影方法も出てきました。(画像:Twitter / AMUSE_INDO: Haruma Miura’s SP drama …より)
4、高校生がプロジェクションマッピングをやってみた第6弾
プロにとどまらず、高校生が作ったものも話題に!(画像:動画のキャプチャより)
Perfumeのプロモーション
これぞ、まさにいろいろなアート系プログラミングでプロモーション展開している、テクノポップユニット「Perfume」。
パフォーマンスにとどまらず、Webサイトなど、さまざまなところで使われています。
1、Perfume official global website
http://www.perfume-global.com/
2、カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルでのパフォーマンス
「Perfume Performance Cannes Lions International Festival of Creativity」(画像:動画のキャプチャより)
今後にますます期待
アート系プログラミングと言っても、今回例にあげたものに限らず、さまざまなところに広がって、より私たちの身近で楽しめるアートになっていくのではないでしょうか。
私個人としても、これから注目していきたい分野です!
鈴木:私が今プロジェクションマッピングで気になっているのが新江ノ島水族館「ナイトアクアリウム」。今夏にぴったりの企画です。水と光はより幻想的になりそう!
新江ノ島水族館 特別企画 「ナイトアクアリウム」(イベント詳細)
7月20日(日)~11月30日(日)※8月1日(金)他 期間中お休みあり
17:00~20:00