日本語に用いられる文字「漢字・カタカナ・ひらがな」たちは、そもそも縦に書くための文字です。
現代では、ネットが普及し当たり前の存在になっています。
そして、当たり前のように横書きがされています。
最近の若年層は、むしろ横書きの方が慣れてしまっているのではないのでしょうか?
目次
・1、日本語の文字は「縦書き」が美しい
・2、「流れが止まる」横書きの日本語の文字
・3、縦書きの流れが美しい「日本の古筆」
・4、なぜ、日本語は横書きにしても読みづらくないのか
・あとがき
1、日本語の文字は「縦書き」が美しい
私は、日本語の文字「漢字・カタカナ・ひらがな」は、
縦書きこそ美しいと思っています。
あくまでもローマ字などの文字は、元から横書きしていた文字なんです。
それを無理やり縦から横にされちゃって…。私は日本語たちがときどきかわいそうに思うぐらいです。
2、「流れが止まる」横書きの日本語の文字
横書きの日本語の文字を用いた文章には「流れ」がありません。
日本語の文字がどのような流れを持っているのか、
行書体でみているとわかりやすいです。
上の図のように、縦書きにすると、
必ず次の文字へ続く流れを持っていることがわかります。
書き始め(始筆)と、書き終わり(終筆)の線が
文字と文字の間をつなぐようになっています。
じつは小学生や中学生で習う書き順も、
この流れを作るために重要なことなんです。
(※行書体や草書体など崩し文字になると、一部書き順が変わる場合もあります。)
3、縦書きの流れが美しい「日本の古筆」
そもそも私が縦書きが美しいと思うのは、
書道を長年続けている影響が大きいです。
現在は欧文の筆記体のように、日本語はあまり続けて書いたりしませんが、
昔はよく使われていました。
下図は代表的な仮名の古筆「高野切」です。
何これ読めない〜!ってなるかもしれませんが、
平安時代に書かれたものなのに
ちゃんと今のひらがなと同じ形をしているものもあるんですよ。
4、なぜ、日本語は横書きにしても読みづらくないのか
今は、横書きでも読みやすく作られたフォントで
読みづらく感じることはあまりなくなりました。
ですが極端にいうと、
日本語の文字は、英文を無理やり縦書きにしてしまったのと同じことなのです。
英文の縦・横書き例
日本文の縦・横書き例
でも、なぜ縦書き用である日本語の文章が、
上の図のような読みづらい英文のような感じにならないのでしょうか?
日本語のフォントの多くは正方形や丸で出来ている
流れがあるから縦書きにするべきだとお話ししましたが、
でも横書きにしても、決して読みづらいわけではない日本語の文章。
それは、日本語のフォント「漢字・ひらがな・カタカナ」のほとんどが
正方形か丸で構成されているからです。
基本的に日本語のフォントは、
漢字は正方形、ひらがなは丸をベースにして作られています。
ローマ字は縦書きだと不揃いになってしまうのに対して、
日本語のフォントは、どちらにしても綺麗に正方形と丸で並べることができます。
でも、やっぱり正方形や丸にとらわれない方がいい!
古筆を活かした「こうぜい」というフォントがあります。
TDC Tokyo 2014タイプデザイン賞受賞した作品です。
正方形や丸にとらわれず、
文字ごとに自由な大きさや長さを持たせています。
こうすることで、まるで欧文の筆記体のような美しい流れが
日本語の文字で表現できるのです。
そもそも、日本語の文字はこうあるべき!と思っている私にはすごく魅力的なフォントでした。
あとがき
思ったことをつらつらと並べてみました。
フラットデザインが流行り、iPhoneの画面の日本語のかっこ悪さに残念に思った方もいるのではないのでしょうか?
でも、日本語が悪いんじゃないんです!
だって日本語は縦書きこそ美しい文字だから!とくに仮名の古筆のような!
と言いたかったのでありました。
未だに、雑誌や書籍、漫画などの多くが横書きにならないのは、やはり長文になってくると日本語の方が読みやすいからではないのでしょうか?
なので、Webデザイナーでありながら、Webも日本語は全部縦書きになればいいのに!と個人的に思っています。
鈴木:Web上での日本語の縦書きの可能性をもっと模索してみたいな、と思っています。最近では電子書籍化で縦書きの文字を画面で読みますし、シェアが広がり続けているスマートフォンは、今までのPC違って横向きではなく縦向き。ならば、日本語を縦書きにしてもいいのでは?と。いろいろ考えが膨らみます。