先日、2015年1月25日に東京電機大学千住キャンパスで行われた「HTML5 Conference」というイベントに参加してきました。少し日が経ってしまいましたが、完全に薄れないうちにそのメモをちょこっと残しておきます。

HTML5 Conferenceとは?

HTML5-Conference

私の解釈で説明すると、
一日を通して、HTML5とはじめとするWeb関連の技術者や関係者の方々(スピーカー)の普段なかなか聞けないお話しが、各部屋・時間(セッション)で聞ける!というイベントです。

html5j」というコミュニティが主催しています。

なんと定員1200名があっという間に埋まり、400名以上ほどキャンセル待ちだったとか…。毎年、とても人気があって有名なイベントのようです!

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(↑ 東京電機大学です。立派な施設!)

HTML5 Conferenceのメモ

すでに、関連資料や動画がたくさんあがっていますが、デザイナーの私(技術方面があまりわからない)なりのメモを、キーワードや箇条書きで以下にまとめました。

うる覚えなところもあるので、間違った解釈していたらすみません…。

私が今回参加したセッション
・オープニングセッション
・11:20〜【C】どうなる次の Internet Explorer?、え、あれがこうなる? ほんとに?! 中の人だから言える「ここだけのハナシ」
・13:20〜【E】Webと出版の融合、そしてHTML5とCSS3が変える本の世界
・14:20〜【C】The Next HTML Is You
・15:20〜【C】Open Web Platform推進に、日本の Web Developerはどう関わっていくか
(ここまでで途中離脱しました〜)

オープニングセッション(1)村井先生のお話し

10:00〜 / 基調講演 / 村井 純(慶應大学)

Web and Things

あらゆる「モノ」をWeb技術でつなげようという考え方。
(あとで調べていたらWeb of Thingsとも言うのかな?)
今やインターネット前提社会であり、世界には70億人を超える参加者がいるそうです。

IoT(Internet of Things)

このワードは最近私自身もよく見聞きします。
上記のWeb and Thingsと似ていますが、ネットとあらゆる「モノ」を結びつけようという考え方。
もとはケビン・アシュトン(Kevin Ashton)という方が名付け親ですが、今ではそのケビンさんが使った意味ちょっと違うのだそう(参考)。
今言われる「IoT」とは、モノのトラッキング。流通と顧客をネットワークをつなぐこと、だそうです。
Things on the Internet

インターネットドラマ「House of Cards」

ハウス・オブ・カード 野望の階段   オフィシャルサイト

ネット配信のみのドラマなのに、なんとエミー賞をとったそうです。
講義を聞いていたときは、視聴者のデータ・意見でドラマを作ったらすごかったという解釈をしていたのですが、後ほど調べてみると以下の様なカラクリらしいです。

Netflixが提供しているストリーミング・サービスでは、視聴者がいつどの映画(あるいはドラマ)を再生し、どの場面で停止したか、あるいは、最初から最後まで観たか、それとも途中で観るのをやめたか、などのデータがすべて記録されている。そのため、 デヴィッド・フィンチャー監督作品『ソーシャル・ネットワーク』を多くの視聴者が最初から最後まで観たこと、ケヴィン・スペイシーが出演している映画はいつもよく観られていること、『House of Cards』の元ネタである英国版ドラマ『House of Cards』がよくストリーミングされていることなどを、 Netflixは知っていた。だから同社は『House of Cards』のヒットを確信し、パイロット版をチェックする必要もなく、2シーズン全26エピソード分を一気に発注できたというのだ。
コラム:Netflix発、ケヴィン・スペイシー主演の『House of Cards』が、本格的なネット・ドラマ時代の幕開けを告げる(2/3) | 海外ドラマNAVIより抜粋)

ネットの強みを活かしたヒット作、といった感じでしょうか。
将来的にネットでテレビをみることが当たり前になったら、そのサービスはかなりの量の顧客データを取れますし、すごいマーケティングになりそうですね。

FABRIC is for everyone

宇宙や生物なんでもつながるという考え方。

Download of Things

学生が作った3Dデータをネット上でダウンロードできる取り組みを行っているそうです。モノを誰でも作ることで出来るようになって、世界中の人もそれを使える。関税・輸送もいらない。
例では、一気に並行の線がひける鉛筆をつけるためのプロダクト。楽譜の線引きがラクラク。だが、使うにはかなり短い鉛筆を入手しないとならないという(笑)
私は個人的に「Download of Things」という言葉自体がすごく未来感があっていいなと思いました。

ただ、問題点もあげていて、それはそのプロダクトを作った人の「著作権」や「プライバシー」。
そのために個体にIDをつける試みを行っているそう。
「クオリティコントロール」ともおっしゃっていました。たしかに、この辺どんどん便利になればなるほど大事なことだと思いました。

Global Scale Grid Computing

並列処理のこと。世界でつながってAIを動かす試み。
ゲーム機のPSPがまさにこれをやってた?やろうとしてた?のだとか。

オープニングセッション(2) Google及川さんのお話し

10:00〜 / 基調講演 / 及川 卓也(Google)

Web技術の今度の展望

2014年はどんな年?

  • ロボット、Edison(※)、ウェアラブル、マルチコプター、IoT → IoTが一気に大きくなってきた。
  • クラウドの普及 → 低価格化、コンテナ技術、ノンプログラミング、オープン標準
  • HTML5 → HTML5勧告、Chrome
  • Webアプリケーション → ChromeBook

※Edison:インテルが2014年に発表した超小型コンピュータのこと。

2015年は?

  • 機器との連携 → 今までクライアントだけだったのがサーバー(クラウド)につながる
  • 全体のシステムデザインが複雑化している

ユーザー体験

  • 日本のWebサイトのモバイル対応:日本の自治体サイトのモバイル対応は、米国7の5%に比べ日本は38%と低い数字。
  • 企業の公式サイトのパフォーマンス:これも海外サイトに比べると低い。

みんなで底上げしてユーザー体験をあげよう、というような話しでした。

どうなる次の Internet Explorer?、え、あれがこうなる? ほんとに?! 中の人だから言える「ここだけのハナシ」

11:20〜 / ルームC / 物江 修(日本マイクロソフト株式会社)

内容は門外不出ということで、こちらのセッションのメモは省略です。
とりあえずこれだけは大丈夫だろうと、とりあえず参考サイトのリンクだけ。

EPUB=Webと出版の融合、そしてHTML5&CSS3が変える本の世界

13:20〜 / ルームE / 高瀬 拓史(イースト株式会社)、松島 智(SINAP Inc.)、村上 真雄(Vivliostyle Inc.)

EPUB(イーパブ)

電子出版の標準的なフォーマットのこと。
中身は(X)HTML+CSSなんだそう。何かもっと特別なものかと思っていたのでこれは知りませんでした!

writing-mode

CSS3の縦書き書式。値は「lr-tb」が横書き、「tb-rl」が縦書き。
-ms-writing-mode: tb-rl;(IE9〜)
-webkit-writing-mode: tb-rl;(Chrome、Safari)
(指定方法の詳細はこちら:縦書き・横書きを指定するには? – writing-modeの解説 – CSS3リファレンス

電子書籍化に至るまで

紙の本からテキストデータを抽出し、HTML化する。
その流れが時間がかかるし、あまりウェブ技術が活かされていない。

ワンソース・マルチユース出版

一つのデータから効率よく、印刷物・ePub・.mobi・HTMLなどにすること。
米オライリー社がやっているそう。
現在、日本では多くの印刷物(本)は専用の組版ソフトで作られているのが問題…。

CSS3 Paged Media

CSSで印刷もできるのが理想?
Paged media

電書ちゃんねる

スピーカーの高瀬さんが公開しているもの。
電書ちゃんのでんでんコンバーター – でんでんコンバーター
電書ちゃんのでんでんマークダウン
でんでんランディングページ | セルフパブリッシャーのためのTumblrテーマ
電書ちゃんのでんでんエディター

本から本へリンクできない

Webの場合はURL、eBookの場合はストアの中で読むので、本から本へリンク移動ができない。

ストアに閉じ込められた読書体験

電子書籍のストアごとに機能が標準化されていないがゆえに、それぞれのストアにユーザーの読書体験が閉じ込められてしまっている。もっと読者同士で体験をシェアしたり、読書記録を分析できたり、とウェブならではのことができないものか。

しかし、一方でセキュリティとプライバシーは気をつけないとならない。

BiB/i(EPUBリーダ)

スピーカーの松島さんが作られた、ブラウザの中で動くEPUBリーダです。
簡単にWebサイトやブログに電子書籍の埋め込んで置くことできます。

The Next HTML Is You

14:20〜 / ルームC / Robin Berjon(W3C/Keio)

Web標準化の重要性

紙にはA3とかA4とか規格があるので、バインダーやプリンターに依存しない。
一方、W3Cは基本的にディスカッションは公開メーリングリストで行われて、しかもそれが1098もある…。
→ 標準化はなかなか難しいまま。

  • The Web Platform
  • コミュニティ:Specifiction
  • Core Principles | Web Platform Specs

Open Web Platform推進に、日本の Web Developerはどう関わっていくか

15:20〜 / ルームC / ダニエル・デイビス(W3C/Keio)、及川 卓也(Google)、矢倉 眞隆(myakura)、小松 健作(NTTコミュニケーションズ)

ブラウザにコントロール

ブラウザなどをみんなのものに。低レイヤーを整備することで、ブラウザにコントロールされないようにする。
→ ようはネットやウェブにも言えることですが、逆にブラウザに振り回されないように、こちらが合わせるんじゃなくてブラウザをコントロールしよう、ということ。

フォームはそのまま使われない

フォームを使うとき、だいたいそのまま使われない。
ブラウザは使われるように作るべき?本当に使うかどうかもっと検証すべき?など、意見があって面白かったです。
でも、ブラウザに依存しちゃうとWebデザイナーは困るよねー、と。すごく共感。

Blink

Googleなどが開発するHTMLレンダリングエンジン。(Blinkについて

まとめ

以上、メモを書き出したりまとめたり(まとめきれなかったり)してみました。
後半は結構技術向けだったので、拾えるところが少なかったのですが、いろいろな用語や技術面の方に興味が持てました!

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私が全体を通して印象的に感じたのは「Webの複雑化」と「プライバシー」でした。

じつは前にWIREDを読んだときにも同じようなことが書いてあって、このカンファレンスでも「Webの複雑化」や「プライバシー」の話しをよく耳にしたように思います。Webが急速に発達したことによって複雑になってしまって、それを良くしようと四苦八苦してる。みんな思ってるんだなあ、と改めてこの業界の流れを感じました。

鈴木:鈴木はなぜそんなイベントに参加できたかというと、今回スピーカーだった松島さん(@satorumurmur)にご招待頂いたからでした。ありがとうございます!

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