今回私がおすすめするのは「デザインのデザイン」。著者はグラフィックデザイナーの原研哉氏です。

私はまずこの本を読み終えて、この業界において経験豊富な原研哉氏がデザインについてたっぷり語りかけてくれている、なんとも充実した時間に思えました。

デザインをわかりたい人達へ

「デザインのデザイン」を手にしたキッカケは、池袋の本屋でふと目に留まった平置きされた帯の言葉でした。

デザインをわかりたい人達へ。
「デザインが大切だ、大切だ」と異口同音に言っている人達へ、「わたしはデザインがわかってる」と思っている人達へ、そして「デザインていったいなんなんだ」と真剣に頭を抱えている人達へ。そんな人達はこの本を読めばいい。ー 深澤直人(プロダクトデザイナー)

日頃から「デザイン」とはなんなのかと考えては迷宮入りを繰り返している私は、そんな言葉に惹かれてこの本を購入しました。私のように上記の言葉だけでも興味が湧いた人は、ぜひ手にとって欲しい本です。

さらにデザインについて頭を抱えたくなる

内容は、まずはデザインの歴史からわかりやすく書いてあります。なので、デザインとは関係ない方にも読みやすいのではないのでしょうか。その歴史から、実例を交えて、原研哉氏のデザインへの思考があらゆる視点・方向から綴ってあります。

いろいろ考えさせられたり、面白い(というより魅力的とでもいうのでしょうか)言葉がたくさん散りばめられていたのですが、ここで紹介しだすとキリがなくなりそうなので、ぜひ実際に読んでもらいたいです!

と言いつつも、少しだけ私がメモした文章の一部をご紹介しておきます。

コンピュータは「道具」ではなく「素材」である。そう評するのはマサチューセッツ工科大学の前田ジョンである。この表現は、与えられたソフトウエアを鵜呑みにしてコンピュータを使うのではなく、数字によって構築されたこの新たな素材によってどのような知の世界が開拓できるかを深く精密に考える必要があるという示唆を含んでいる。(P.22)

要するに情報を享受する人間は感覚器官の束である。そういう受け手に投げかけるべく、デザイナーは種々の情報を組み合わせてメッセージを構築しているのである。(P.61)

デザイナーは本来、コミュニケーションの問題を様々なメディアを通したデザインで治療する医師のようなものである。(中略)それを発見し最良の解決策を示すのがデザイナーの役割である。(P.204)

デザインってやっぱり面白くて魅力的だなと思いました。そして、ますますこの本を読んでデザインの深いところへ踏み込んだような・・・。さらに、デザインについて頭を抱えたくなりました!

10年以上経っても色褪せない

あとで気づいたのですが、この本はじつは2003年が初版!私が手にのは第28刷でした。もしや、業界では知る人ぞ知る本なのでしょうか。10年以上経っても、色褪せない内容の本です。

まだ読んだことのない方は、ぜひおすすめです。


デザインのデザイン
原 研哉

出版社: 岩波書店
発売日: 2003/10/22

鈴木:私が前の記事でウェブの世界についてぐるぐる考えて不安になっていたのですが、そんな不安にデザインという可能性があるのではないかという、そんなマイブームの話題に繋がりを感じる一冊でもありました。

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※ この記事は2年以上前に書いたものです。すでに情報が古くなっている可能性もありますのでご留意ください。